Archive for 1月 2015

News letter No.025

本ニュースレターに記載の情報はあくまでも一般的参考に供するものであり、読者の皆様に対し、いかなるアドバイスをも提供するものでもありません。なお、記載の内容について、何か問題がございましたら、誠にお手数とは存じますが、当社までご連絡いただければ誠に幸いに存じます。

家賃賃貸発票に係る税について

 
企業が経営を行なう中で、建物物件の賃貸は経常的に発生する事項です。この支出を損金とするには発票が必要ですが、ではどのように発票を発行してもらうことが税務上最も有利でしょうか?以下に少しご紹介したいと思います。
(背景)メーカーであるA社は、他のB社から建屋を賃貸しており、年間の賃貸料は税抜で100万元です。B社からは、この価格を決めたときには税金のことは考慮していないので、税金が発生する場合A社で負担してほしいと言われ、A社はこれを了承しました。このケースで、A社はどのようにすれば節税が可能でしょうか?
B社は企業なので、建物を貸した場合、建物税12%並びに営業税5%及びその附加税である都市建設維持税、教育費附加、地方教育費附加、水利基金費(それぞれ営業税の7%、3%、2%、1%、営業税と附加税の合計は5.65%)を納付する必要があります。(その他付随して発生する税はここでは省略します)よって、負担すべき税金は以下となります。

建物税=100万×12%=12万
営業税及び附加税=100万×5.65%=5.65万
税金合計12万+5.65万=17.65万
このとき、B社がA社のために発行する発票の形式には、次のような2種類が考えられます。
(1)100万元を家賃として発票を発行した場合
この場合A社が支払う金額は、100万+17.65万=117.65万元ですが、このうち17.65万元は本来B社が支払う税金を肩代わりしたものであるため、損金にはできません。その根拠は「企業所得税法」第8条に定める以下の規定にあります。
「企業に発生した、原価、費用、税金、損失及びその他支出を含む、収入と関連のある、合理的支出は、課税所得額から控除することができる。」
この税金は、A社とは本来関係のないものであることから、上記規定に基づけば、損金として処理することはできないことになります。
(2)税込金額を契約家賃とした場合
この場合A社が支払う金額は100÷(1-12%-5.65%)=121.43万元です。B社の建物税は121.43万×12%=14.57万元、営業税及び附加税は121.43×5.65%=6.86万元、税金合計は21.43万元となります。B社が納税後に手元に残る金額は121.43万-21.43万=100万元ですので所期の目的は達成されます。A社はB社が発行した121.43万元の家賃発票の金額につき、すべて損金とすることができます。
以上の二つのケースからみて、(1)の処理ではA社が支払う金額は117.65万元で、(2)の処理の121.43万元より少なくなります。ところがこれを損金処理の側面からみると、(1)ではその金額は100万元と(2)の処理の121.43万元にくらべ小さいものとなります。どちらがA社にとって税務上有利なのでしょうか?次のような表にして比較してみました。

項目 ①税抜で家賃発票を発行した場合 ②税込で家賃発票を発行した場合 ③差額=②-① 税金に与える影響
家賃発票金額 100.00 121.43 * *
建物税 12.00 14.57 * *
営業税及び附加税 5.65 6.86 * *
税金合計 17.65 21.43 ④3.78 *
企業所得税上損金となる金額 100.00 121.43 * *
企業所得税への影響額 * * * *
企業所得税税率25% 25.00 30.36 ⑤-5.36 ④+⑤=-1.58
企業所得税税率20% 20.00 24.29 ⑥-4.29 ④+⑥=-0.50
企業所得税税率15% 15.00 18.21 ⑦-3.21 ④+⑦=0.57
企業所得税税率10% 10.00 12.14 ⑧-2.14 ④+⑧=1.64
未実現課税所得額 - - - ④+ 0=3.78

このように、企業所得税の税率が25%又は20%で、企業所得税上の課税所得がある場合、税込金額で発票を発行してもらったほうが、税務上有利で、資金的負担は軽くなるとといえるかと思われます。これに反して、企業所得税の税率が15%又は10%で、やはり企業所得税上の課税所得があるならば、税抜金額で発票を発行してもらったほうが企業の負担は軽くてすみます。

ただし、この表で計算できるのは、ある一つの期における事情だけです。現在及び将来において、企業所得税を納税する必要があるかどうかをます考慮しなければ、上記の比較は意味をなさないものとなってしまうことにご留意をお願いいたします。
ここであわせてご注意いただきたいのは、相手側が企業であり、企業が本来の建物税を納付する際には、この賃貸部分に関して納める建物税は、差し引くことができるという点です。よって、借主はこのことを理由に、建物税の負担については軽減してもらうべく要求することも可能かと考えます。家賃と建物の取得価格から計算する分岐点は次のように計算されます。
賃貸部分の建物の取得価格×(1-30%)×1.2%=年間賃貸料×12%
税負担の均衡点=年間賃貸料÷賃貸部分の建物の取得価格=7%。
賃貸料が賃貸部分の建物の取得価格の7%であるとき、賃貸に係る建物税と建物の取得価格をもとに計算した賃貸部分の建物税の金額とが同等となります。例をあげれば、取得価格が300万元の建物のうち、100万元の部分を賃貸し、年間賃貸料が7万元の場合、賃貸に係る建物税は7万×12%=0.84万となり、建物の取得価格300万元をもとに計算した建物税から差し引くことができる取得価格100万元に相当する部分の建物税は100×(1-30%)×1.2%=0.84万となって、同一金額になります。
よって、B社に支払う年間賃貸料が、対象となる建物部分の取得価格の7%より小さい場合、B社には賃貸により負担が増加した建物税というものは存在しませんので、A社は建物税は負担しない旨要求することが可能かと考えます。また、大きい場合でも差額のみの負担で足りるはずです。このことを考慮に入れるなら、上記の表中のA社が負担すべき税金の数字は少し変わってくるかと思われます。
ここまで述べてきたのは貸主が企業であるケースです。個人の住宅を借りた場合であれば、営業用建物と住宅の違い、家賃金額の違い、負担する個人所得税、営業税及び付加税等の相違を加味した上で、やはり上記の表の原理に基づき比較することになるかと存じます。

この賃貸行為はB社が行なうものであり、建物税も営業税もその納税義務者はB社であるのに、A社がそれを負担してさらに損金にすることは、税法に違反するものとの疑いをもたれないかと懸念される方がいらっしゃるかもしれません。建屋の賃貸は納税者の経営における通常の経済業務です。その賃貸料は、双方が合意して締結する契約であり、「契約法」等の関連の法律法規の規定に合致していれば、貸主がそれに係る税金をコストとして考えるの正常なことかと考えます。
建物の取得価格、建物の減価償却、関連税金等を貸主が利益確保のため、借主に負担するよう要求して賃貸料収入に加えることは、税法上問題はないものと考えます。

遊休建物に対する建物税について

遊休建屋の建物税納税義務については、建物の所有権者及び建物の使用状態に基づき判定するとされています。具体的規定は以下の通りです。
1 建物所有権者が不動産のデベロッパーの場合
「建物税、都市土地使用税関連政策規定についての、国家税務総局の通知」(国税発[2003])89号)第1条には、「不動産デベロッパーが開発する販売用建物物件は、その販売前には不動産デベロッパー企業にとっては一種の商品であることから、不動産デベロッパー企業が建築した販売用建物については、販売前には建物税は徴収しない。但し、販売前に不動産デベロッパー企業がすでに使用又はリース・レンタルしている販売用建物物件については、規定に基づき建物税を課税する。」と規定されています。
2 建物所有権者が不動産デベロッパー企業以外の場合
「中華人民共和国建物税暫定条例」(国発〔1986〕90号)第3条には、「建物税は、建物の取得価格から10%から30%を控除した残額をもとに計算して課税する。具体的にどれだけ控除するかは、省、自治区、直轄市の人民政府が規定する」と定められています。
また、「建物税・都市土地使用税関連政策規定についての、国家税務総局の通知」(国税発〔2003〕89号)第2条には、次の規定が見られます。
(1)新たに販売用建物を購入した場合、建物が使用に供された翌月から建物税及び土地使用税を課税する。
(2)存量建物物件(購入または自ら建築した物件の所有権証明書を取得したもの)については、建物の権利の移転、変更登記手続を行なった日から、不動産権利登記期間が建物権利証を発行した日の次の月から、建物税及び都市土地使用税を課税する。
(3)建物のリース・レンタルについては、リース・レンタルに供した次の月から建物税と都市土地使用税を課税する。

「建物税の若干の具体的問題についての、財政部・国家税務総局の解釈及び暫定規定」(財税地字〔1986〕8号)第19条规定には、「納税者が自ら建設した建物については、検収手続を行った翌月から建物税を課税する。納税者が検収手続を行なう前にすでに使用又はリース・レンタルに供していた新築建物は、規定に基づき建物税を課税する」と規定されています。
また、第16条には、「関連部門の鑑定を経た、損壊して居住に堪えない建物及び危険家屋については、使用を停止した後は建物税を免除する」と規定され、さらに第24条では、「建物が大修理のために半年以上使用を停止している場合、納税者が申請し、税務機関が審査した上で、大修理期間の建物税が免除されることができる」とも規定されています。
このように、企業が保有する建物が「損壊して使用に堪えない及び危険家屋である」場合や、「大修理のため半年以上使用を停止している」といった特殊状況では、条件を満たしていれば建物税が免除されますが、その他の遊休建物については、取得価格に基づき建物税が計算されることになります。
3 建物所有権者が個人の場合
「中華人民共和国建物税暫定条例」(国発〔1986〕90号) 第5条には、「個人が所有する非営業用建物」については建物税は免除するとされています。ここでいう「非営業用」とは、「オフィス用、オフィス・住宅両用・住宅用」といった建物の性質を指すものではなく、建物の使用状態を指すものです。保有する建物を賃貸すれば、その建物の性質が住宅であれオフィス用であれ、非営業用とはならず、建物税を納付する必要が生じます。となれば、個人が保有する遊休建物は、その性質のいかんにかかわらず、すべて「非営業用」に該当し、建物税を納付する必要はないかと考えます。
個人が建物の賃貸を行なう場合の建物税は以下の規定に基づき課税処理されます。
「低賃料賃貸住宅、経済適用住宅及び住宅賃貸関連税務政策についての、財政部・国家税務総局の通知」(財税[2008]24号)第2条第(3)項には、以下が規定されています。
「個人に対し賃貸する住宅については、用途を区分せず3%の税率の基礎の上にこれを半減した営業税と4%の税率で建物税を課税する。土地使用税は免除する。」
このように、個人が住居を賃貸する際の建物税の税率は4%となっています。ただし、個人が貸し出す住居用でない建物(建物産権証上の建物の性質を参照)についてはこの優遇を受けることはできず、建物税は家賃収入の12%で計算されます。

コンタクト

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