Archive for 8月 2014

News letter No.022

本ニュースレターに記載の情報はあくまでも一般的参考に供するものであり、読者の皆様に対し、いかなるアドバイスをも提供するものでもありません。なお、記載の内容について、何か問題がございましたら、誠にお手数とは存じますが、当社までご連絡いただければ誠に幸いに存じます。

加工貿易における鋼材輸入保税政策取消についての通知(財関税[2014]37号)

 
7月2日、財政部・税関総署・国家税務総局は、掲題の通知を公布し、加工貿易における一部鋼材の保税輸入の取り消しにつき発表しました。その内容は以下の通りです。
「重大な生産過剰の矛盾を解消するための、国務院の指導意見」(国発〔2013〕41号)中の「税負担の公平政策を確実なものとし、加工貿易における鋼材輸入の保税政策を取り消す」という精神を貫徹するため、財政部、税関総署、国家税務総局は、財関税〔2014〕37号「加工貿易における鋼材輸入保税政策取り消しについての通知」を公布し、関連問題につき、以下のとおり通知する。
1 最初に、国内でも完全に生産が可能で、その品質が川下企業の需要を満たしうる輸入熱間圧延鋼板、冷間圧延鋼板、引き抜きコイル、棒線材、型材、ワイヤー、電気鋼板等の78項の税番号鋼材製品(巻末別紙を参照)に対し、加工貿易における輸入鋼材保税政策を取り消し、2014年7月31日から、関税及び輸入増値税を徴収する。
2014年7月31日より前に締結した契約で、かつ2014年12月31日までに実際に輸入するものについては、契約の有効期限内には引き続き保税方式での加工貿易を行なうことを認める。
2 上記政策措置は、綜合保税区等の税関特殊監督管理区域にも適用するが、ただし、2014年7月31日までに区内にすでに設立され、別紙に列記する製品の加工貿易に従事している企業に対しては、暫時対象から除外する。

納税者が発行する増値税専用発票関連問題についての国家税務総局の公告(2014年第39号)

7月8日、国家税務総局は、掲題の公告を発表し、増値税専用発票の虚偽発行の判断基準につき規定しました。本公告は2014年8月1日から実施されています。
内容は、以下のとおりです。
  
納税者の発行する増値税専用発票関連問題につき、以下公告する。
発行された増値税専用発票が次の状況にすべて合致する場合、虚偽発行された増値税専用発票には該当しない。

1 納税者から発票受領者の納税者に対し、物品の販売、又は増値税の課税役務、課税サービスの提供を行なった
2 納税者が発票受領者の納税者から物品の販売、課税役務もしくは課税サービスの提供に対する代金を受領した、又は代金を回収する根拠となる証憑を入手した
3 納税者が発票受領者の納税者に対し、規定に基づき発行した増値税専用発票の関連内容が、販売した物品、提供した課税役務または課税サービスと合致し、かつ当該増値税専用発票は、納税者が合法的に取得し、かつ自らの名義で発行したものである

発票受領側の納税者が入手した上記状況に合致する増値税専用発票は、増値税控除の証憑とすることができる。

【税務解説】

国家税務総局の2014年第39号公告につき同総局弁公庁が解説

上記のように、掲題公告は7月8日に公布されましたが、これをどう解釈するかにつき、同じく7月8日に、国家税務総局弁公庁が、三つのケースについての解説を発表しています。 以下はその内容です。
虚偽発行された増値税専用発票は、税収に危害を加えることをもって刑罰を受けることもある重要な事項です。納税者が対外的に発行した増値税専用発票が、虚偽の増値税専用発票に該当するか否かは、事実をもってその根拠とし、正確にその画定を行ないます。
このため、税務総局は、「納税者が発行する増値税専用発票関連問題についての国家税務総局の公告」を公布しました。公告には3種類の状況が列記されており、納税者が発行した増値税専用発票が、同時にこの三つの状況に合致すれば、虚偽に発行されたものには該当せず、これにより発票受領者は仕入増値税額を控除できるとしています。
当該公告を理解するには、以下の数点をご理解ください。

1 納税者の増値税専用発票発行にあたっては、納税者がその物品の所有権を有していなければならず、これには直接購入する形での所有権取得が含まれ、また「先売後買」方式による所有権の取得も含まれます。いわゆる「先売後買」とは、納税者が物品を川下に販売してから、川上からその物品を購入するような取引をいいます。
2 名義借り方式で経営を行なうことは広く存在するが、名義借り行為に対し本公告をどのように適用するかは、異なる状況につきそれぞれ確定することが必要となります。第一に、名義借りした側が貸した側の名義で、発票受領側納税者に物品を販売し、増値税税役務又は課税サービスを適用する場合、名義貸し側が納税者となります。名義貸し側が物品の販売者か、又は課税役務・課税サービスの提供者となった場合、名義貸側が納税者として増値税専用発票を発行します。これは、本公告が規定する状況となります。第2に、名義借り側が自分名義で貨物の販売、課税役務、課税サービスの提供を行った場合には、名義貸し側はこの業務とは関係が無く、名義借り側が納税者となるべきかと思います。このような状況下で、名義貸し側がこの業務に係る増値税専用発票を発行した場合、本公告の規定にはそれに対しての記述はしていません。

3 本公告は納税者のある行為が増値税専用発票の虚偽発行に該当しないことを明確にするものですが、その目的は国の税務の安全を保護することと、納税者の合法的権益を擁護することにあります。いいかえれば、本公告は、納税者のある行為が増値税専用発票の虚偽発行には該当しないといっているのみで、それでは三つの状況をすべて満たさなければ、それは虚偽発行となると推論するものではありません。

例を挙げれば、正常な経営をしている研究開発企業が、顧客と研究開発契約を締結し、研究開発費用を受け取り、増値税専用発票を発行したが、研究開発サービスはまだ発生していないかまたはまだ完成していないような場合、本公告が列挙している「発票受領者である納税者に貨物を販売した場合、または増値税の課税役務、課税サービスを提供した場合」ではないため、研究開発企業は、増値税専用発票を虚偽発行したものと判定されます。

【税務知識】

みなし売上収入に関する政策規定と実務処理

会計上では売上ではないのに、税務では「みなし売上」とされることがあります。中国の企業所得税や増値税では、これはどのように規定されているのでしょうか?

増値税暫定条例には、以下のみなし売上に関わる規定がみられます。
組織又は個人事業主の以下の行為は物品販売とみなす。
1 物品を他の組織や個人に引き渡し、代理販売させる
2 代理販売物品を販売する
3 二つ以上の機構を有し統一採算制を実行する納税者が、物品を一つの機構からその他の機構に販売のため移送する。ただし、同一の県(市)内の場合は除外する。
4 自社生産した又は委託加工の物品を増値税非課税項目に使用する
5 自社生産、委託加工の物品を集団的福利又は個人消費に使用する
6 自社生産、委託加工又は購入した物品を投資として、その他の組織又は個人事業主に提供する
7 自社生産、委託加工又は購入した物品を、株主又は投資者に分配する
8 自社生産、委託加工又は購入した物品を無償でその他の組織又は個人に贈与する

企業所得税ではみなし売上につき、以下のように規定しています。
「企業の資産処分所得に係る税処理問題についての通知」(国税函【2008】828号、以下「828号通知」という)
企業が資産を他者に移送する以下の状況については、資産の所有権にすでに変化が生じていることから内部資産処分には該当せず、規定に基づきみなし売上として収入を確定しなければならない。

1 市場拡大又は販売に用いる
2 接待交際に用いる
3 従業員の奨励又は福利に用いる
4 配当に用いる
5 対外的寄贈に用いる
6 その他の資産所有権帰属に変更が生じる用途

このように、増値税と企業所得税のみなし売上規定には幾分相違があります。企業所得税が強調するのは所有権の帰属です。よって、社内での資産移動(海外は含まない)は企業所得税法では売上には該当しません。
増値税で強調されるのは、その連鎖です。例えば自社製品を建屋建設に用いるといった、増値税の非課税項目に使用するような場合、確かに物品は企業外には出ていませんが、増値税の連鎖は断たれ、これに係る仕入増値税は控除済みなのに、売上増値税は発生しないという状況が発生します。これを防ぐため、増値税暫定条例では、同時期の市場価格によるみなし売上として、売上増値税の計上が必要としています。
ところで、ここでちょっとした違いにご留意いただきたいことは、企業がすでに仕入増値税を控除している資産については、企業の範囲を出れば、自社生産であっても購入品であってもみなし売上として売上増値税の計上が必要となりますが、購入した資産を、企業内部の増値税非課税項目に用いた場合は、仕入増値税額を原価に組み入れることで足り、売上増値税の計上は不要となるということです。当然のことながら、一般的な状況では、みなし売上として計上する売上増値税額は、対応する仕入増値税額よりも大きくなるのが普通です。

(計算例)
例1 会社は購入した物品を、市場拡大・売上促進活動のため、消費者への販促品に用いた。購入価格は100(税抜)、仕入増値税額は17、販促に用いたときの会社の同等商品の販売価格は150(税抜)である。
→この行為は増値税暫定条例に規定される、購入品を無償でその他組織又は個人に贈答する行為に該当します。よってみなし売上とされ、その売上増値税額は150×17%=25.5となります。また、この行為は企業所得税でもみなし売上に該当します。
例2 会社は自社生産した物品を、工場建屋の建設に用いた。当該物品の同時期の販売価格は200、原価は150である(すべて仕入増値税控除済みのものとする)。
→この行為は、増値税暫定条例に規定される、自社生産物品を増値税非課税項目に用いることに該当し、みなし売上に係る売上増値税額は200×17%=34となります。なお、この行為は資産が企業から流出していないため、企業所得税上はみなし売上とはなりません。
ところで、この物品が自社生産したものではなく、購入した物品である場合、増値税上のみなし売上には該当しないため、売上増値税を計上するのではなく、仕入増値税の原価組み入れとなり、その額は150*17%=25.5となります。
ところで、当該物品を建屋ではなく設備(不動産に該当しないもの)に用いたのであれば、みなし売上とはされず、また仕入増値税を原価に組み入れる必要もありません。というのは、設備は増値税課税項目であることから、その連鎖が断たれることがないからです。

このときの仕訳は次のようになります。
(1)借方:営業費用125.5
貸方:在庫商品100
貸方:増値税-売上増値税25.5
年度末の企業所得税申告表中のみなし売上収入は150、みなし売上の原価は100、みなし売上の費用は50となります。
この業務の係る課税所得額は、150-100-50-125.5=-125.5となります。

次のような処理方法もあります。
(2)借方:営業費用175.5
貸方:営業収入150
貸方:増値税-売上増値税25.5
借方:営業原価100
貸方:在庫商品100
なお、年度末の企業所得税申告表には影響はありません。
当該業務の最終的な課税所得額は150-100-175.5=-125.5となります。

このように(1)の処理でも(2)の処理でも、企業所得税の最終的な額は同一となります。ではどこが違うのでしょうか?以下で見て行きたいと思います。
(1)の仕訳を用いる場合、みなし売上は企業所得税の申告表において調整しなければならず、またみなし売上に係る原価も計算しなければなりません。少し面倒ですた、この調整を行わなければ、企業所得税申告表の売上と増値税申告表の売上とが合致せず、前者が後者より小さい場合、一般的に税務機関は、年度申告の後調査を行なうか又は企業に調整を要求することになります。かつ、みなし売上物品の用途となる科目に税務上の制限があるような場合、表に記入しないことは納税者が故意に企業所得税を少なく納税することを目的としているとみなされることもあり、税務リスクをはらんでいるといえます。

(2)の処理を選択した場合の業務量は相対的に小さくなります。発生時に処理できるので年度調整の必要もなく、企業所得税と増値税の申告表における売上が合致しないということもないため、税務リスクも発生しません。ただ、売上と原価が対応できないという点が、企業会計準則の定義に合致しないということはあります。たとえば、その行為が企業に経済的利益をもたらさなければ、会計準則が定める売上確認の定義には合致ないので、みなし売上は会計準則では売上とは認識されません。
よって、もし企業が厳格に会計準則の適用を求めないというのであれば、(2)の方法での処理を選択することもできます。会計準則の定義を重視して(1)を選択するのであれば、必ず年度末の企業所得税申告表でみなし売上とそれに係る原価を調整して記載しなければ税務リスクを伴うことにご留意ください。
次に、上記の例2の場合の処理について、お話したいと思います。
この場合、増値税の規定ではみなし売上、企業所得税はみなし売上ではないことになります。
借方:建設仮勘定184
貸方:在庫商品150
貸方:増値税-売上増値税34
企業所得税申告表の調整は、当然不要です。

補足して説明したい2点
1 828号通知の規定では、外部から購入した資産は購入時の価格で売上を計上してよいとしているのに、上記の例ではなぜわざわざ、その販売価格をもって売上金額としているのかと思われる向きもあるかと存じます。
実は、828号通知より後に出された、「2009年度企業所得税年度末確定申告業務を円滑に行なうことについての、国家税務総局の通知」(国税函[2010]148号)中には、以下の規定がみられます。

「828号通知第3条に規定する、企業の資産処分は購入時の価格を売上価格とするというのは、企業が当該資産を処分する目的が売却ではなく、従業員福利等費用支出の性格を有する場合をいい、かつ購入後一般的に一つの納税年度内の処分をいう。」というわけで、案例中の宣伝広告に用いる外部からの購入商品は、上記要求を満たさず、購入時の価格を売上価格とすることができないと考えられます。

2 上記の例で、企業所得税上のみなし売上行為につき、年度の企業所得税の申告表中に、みなし売上150、みなし売上原価100、みなし売上費用50、と記載しても、結局企業所得税の額には影響がないのに、なぜみなし売上という処理をわざわざする必要があるのかとお考えの向きもあるかと思います。
これは、みなし売上行為に該当するものには、接待費、広告宣伝費、寄付金、福利費(集団福利は含まない)等の企業所得税上の損金とする額に制限が設けられている内容のものがあるためです。
接待費を例にとれば、年度の企業所得税の申告表にみなし売上を記入していない状況のもとで、接待費が125.5であったとすれば、このうち損金とできるのは、この額が年間売上の0.5パーセントを超えていなければ、125.5×60%=75.3となります。よってこの場合の課税所得に与える影響は-75.3です。

ここで、接待に使用したみなし売上を加えると、接待費のうち損金とできる金額は、175.5×60%=105.3(これも売上げの0.5パーセントを超えていないことが前提)となり、この場合の課税所得に与える影響は、150-100-105.3=-55.3です。
このように、年度の企業所得税申告表中にみなし売上を記載したところ、企業の課税所得が-55.3-(-75.3)=20増えることになります。よって、科目によっては、みなし売上から、単純に原価費用として引くことができないものがあることから、年度末の調整が必要となるわけです。

暑気予防手当の会計処理について

山東省の関連規定に基づけば、雇用事業主が高温下の業務を手配する場合、「山東省高温天気労働保護弁法」、山東省「企業従業員夏季暑気予防費標準調整についての通知」(魯労社【2006】44号)が規定する基準に基づき、労働者に対し夏季暑気予防費を支給することになります。これは、室外や高温場所で作業する人員については毎月120元、高温場所以外で作業する人員には毎月80元で、6月、7月、8月、9月の4か月に支給が必要となります。

帳簿処理
「企業の従業員福利費会計管理を強化することについての、財政部の通知」(財企[2009]242号)の規定によれば、国の関連会計規定に基づく暖房費手当、暑気予防費等に合致する範囲内のものは、帳簿処理する場合には、借方:原価費用-福利費、貸方:未払従業員給与-福利費で処理しなければならないとされています。

企業所得税処理
「企業の賃金給与及び従業員福利費控除問題についての、国家税務総局の通知」(国税函【2009】3号)には、次のように規定されています。「『実施条例』第40条が規定する企業の従業員福利費とは、以下の内容を含む。……暖房費手当、従業員暑気予防費、従業員困窮手当、救済費、従業員食堂費手当、従業員交通費手当等」
よって、納税者は支給した暑気予防手当につき、福利費の基準である給与額の14パーセントの範囲内で損金とすることができます。

個人所得税の処理
「個人所得税法実施条例」の規定によれば、給与、賃金所得とは、個人が任職する又は雇用されることにより取得した給与、賃金、賞与、年末追加給与、業績手当、手当、補助及びそれが任職する又は雇用されることに関わるその他の所得をいうとされています。
従業員が雇用されたことにより取得した暑気予防手当は、上記の給与・賃金所得に該当し、現行の個人所得税法及びその条例に暑気予防手当につき免税とする規定がない状況においては、その月の給与・賃金に加算して、個人所得税を計算・納付することになります。

コンタクト

ニュース

  • News letter No.029 - 2016年4月20日
    4月12日に発表された『国家税務総局が営業税に代えて徴収する増値税は地方税務局に代理徴収を委託することと増値税発票の代理発行』(税総函[2016]145号)に次のような規定が見られます。
  • news letter028 - 2016年4月19日
    『営業税から増値税への移行試験を全面的に実施することに関する通達』(財税「2016」36号)の規定に基づき、2016年5月1日から全面的に、営業税に代えて増値税を徴収することとなりました。
  • News letter No.027 - 2015年3月26日
    目次 小型薄利企業の企業所得税優遇政策についての財政部・国家税務総局の通知 外国籍個人の個人所得税に係る時間に ...
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    目次 貿易企業の委託加工輸出業務に係る4方式の比較 国内外関係企業間借入に関する税務規定 [me ...