Archive for 7月 2014

News letter No.021

本ニュースレターに記載の情報はあくまでも一般的参考に供するものであり、読者の皆様に対し、いかなるアドバイスをも提供するものでもありません。なお、記載の内容について、何か問題がございましたら、誠にお手数とは存じますが、当社までご連絡いただければ誠に幸いに存じます。

増値税の徴収率が3パーセントに統一(財税[2014]57号)

 
税制を規範的なものとし、税負担を公平化することを目的に、国務院の承認を経て、財務部と国家税務総局は6月13日、従来増値税の徴税率が(注:課税率ではない)が6パーセント又は4パーセントであったものにつき、3パーセントに統一することを決定する掲題の通知を公布しました。その内容は以下の通りです。

1 「一部物品に適用する増値税低税率及び簡易方式で徴収する増値税の政策についての、財政部・国家税務総局の通知」(財税〔2009〕9号)第2条第(1)項及び第(2)項中の「簡易方式に照らして4パーセントで徴税する増値税はこれを半減する」は、「簡易弁法に照らして3パーセントで徴税する増値税はこれを減額して2パーセントで徴収する」に調整する。

「全国で増値税の方式変更改革を実施することに係る若干問題についての、財政部・国家税務総局の通知」(財税〔2008〕170号)第4条第(2)項及び第(3)項中の「4パーセントの徴税率を半減して徴収する増値税」は「簡易方式に照らして3パーセント徴税を2パーセントに減額して徴収する増値税」に調整する。

2 財税〔2009〕9号文書の第2条第(3)項及び第3条の「6パーセントの徴税率に照らして」は「3パーセントの徴税率に照らして」に調整する。

3 財税〔2009〕9号文書の第2条第(4)項の「4パーセントの徴収率に照らして」は「3パーセントの徴収率に照らして」に調整する。

4 本通知は、2014年7月1日より実施する。

財税〔2014〕57号についての、簡単な説明

上記の通り、財税[2014]57号(以下、「57号文書」という)は7月1日より実施されていますが、この通知に関し、以下に留意点を簡単にご説明したいと思います。

1 6パーセントというのは税率ではなく、徴税率であること
57号文書にいう6パーセントとは税率をさすものではありません。営業税から増値税に移行した業務の税率は6パーセントですが、これが対象になり3パーセントに変わるわけではありません。では徴税率6パーセントのものとは何かというと、代表的なところでは、水道水の販売が例としてあげられ、これは今後徴税率が3パーセントとなります。

2 固定資産の販売
使わなくなった固定資産を売却するというのはよくみられる行為です。仕入増値税の控除が認められず未控除となっている使用済固定資産を売却した場合の増値税は、本来の4パーセントを半減して徴収すると従来はされていました。例えば、一般納税者が固定資産を104万元で売却した場合、その係る増値税は104÷1.04×4%÷2=2万というように計算されていました。今回の改定により、2014年7月1日以降は、104÷1.03×2%=2.02万元で増値税が計算されます。

3 増値税専用発票を入手できる場合の徴税率
例えば、納税者が水道会社(一般納税者)から入手した水道水の増値税専用発票の徴税率は従来は6パーセントでした。2014年7月1日からは、この発票に書かれる税率は3パーセントとなるはずです。6パーセントと書かれた発票が提示された場合、受取を拒絶し、発票を3パーセントのものと交換するよう求める必要があります。そうしなければ不要に高い税を負担することになってしまいます。

4 徴税率の低下は購入価格の減額につながる
増値税の徴税率が下がったことを理由に、買い手は売り手に対し価格を下げるよう交渉することも可能かと思われます。

附属設備と附帯施設に関わる税務事項

附属設備及び附帯施設に係る建物税と仕入増値税については、次のような関連の規定があります。

1(建物税)
「建物附属設備と附帯施設の建物税関連問題を明確にすることについての、国家税務総局の通知」 (国税発[2005]173号、以下、「建物税173号文書」という)には、以下の規定がみられます。
家屋の使用機能の維持及び追加又は家屋の設計上の要求を満たすための、家屋を主体物とした、給排水、暖房、消防、セントラル空調、電気、インテリジェンスビル設備等の、随意に移動することが不可能な附属設備及び附帯施設は、会計処理において単独で計上するか否かにかかわらず、すべて建物の取得価格に算入し、建物税課税の計算に加える。

2 (増値税)
「固定資産の仕入増値税額控除問題についての、財政部・国家税務総局の通知」
(財税[2009]113号、以下、「増値税113号文書」という )には、以下のような規定がみられます。
建築物又は構築物を主体物とする附属設備及び附帯施設は、会計上の処理が単独での計上であるか否かにかかわらず、すべて建築物又は構築物の組成部分となり、その仕入増値税を売上増値税から控除することはできない。附属設備及び附帯施設とは、給排水、暖房、衛生、通風、照明、通信、ガス、消防、セントラル空調、エレベーダー、電気、インテリジェンスビル設備及び附帯施設をいう。

以上二つの文書をみると、列挙された「附属設備及び附帯施設」は基本的に同じかと思われます。二つを較べて、建物税173号文書には増値税113号文書記載の衛生、通風、照明、通信、ガス、エレベーターが書かれていないが、これらについては建物税は不要なのかとお思いの方がいらっしゃるかと思います。実際には納税が必要です。「建物税と車両船舶使用税のいくつかの業務問題についての、財政部・国家税務総局の解釈と規定」([1987]財税地字第3号)文書では「建物の取得価格には建物と不可分の各種附属設備や、又は一般的に単独で価値が計算されない附帯施設を含めなければならず、主には、暖房、衛生、通風、照明、ガス等設備と、スチーム、圧縮空気、石油、給排水等のパイプ及び電力、ケーブル等の回線や、エレベーター、昇降機、通路、バルコニー等がある」と規定されています。このように、建物税173号文書で列記されていなかった暖房、衛生、痛風、照明、ガス、エレベーターといった附属設備及び附帯施設がここではすべて表されています。

よって、自ら家屋を建設した企業は、附属設備又は附帯施設に係る税務リスクにつき十分注意する必要があります。設備・施設は一般的に価格が高いものであることから、上記の仕入増値税を控除できない場合、企業にとっては増値税の税負担が大きなものとなります。同時に、建物税の計算基礎となる取得価格も大きくなるため、毎年の建物税の額にも影響を与えることになります。

以下にご留意ください。
1 建物税と増値税の内的連携
建物税と増値税とは性質が異なっており、一つは資産にかかわる税、一つは流通に関わる税です。ただし、附属設備と附帯施設に関しては、これら二つの税は内的連携を有しているといえます。例えば、ある設備につき建物税の課税対象となる附属設備であると認定されれば、それに係る仕入増値税は控除できません。その設備が建築物の附帯施設で仕入増値税を控除できないのであれば、一般的には建物税を納める必要があるとされます。

ところで、建物税173号文書が強調しているのは「家屋」であることです。建物税はその「建物」の取得価格をもとに税額を計算します(ここでは賃貸料にかかる建物税については述べないものとします)。建物税納付の条件は、家屋であることと、その家屋は納税者が所有する財産であることです。

増値税113号文書では「建物税又は構築物」と表現されており、その範囲は建物税がいう「建物」より範囲が大きなものとなっています。「固定資産分類とコード」の中で前2桁が「02」と「03」の固定資産は建築物と構築物とされ、ともに仕入増値税は控除できないものとされています。中国の税務システムでは営業税を徴収しますが、営業税と増値税の課税方法はまったく違うため、営業税項目に用いたものに係る仕入増値税は控除不能です。ところで、不動産は営業税の項目で(他のものが増値税に移行した後も)建築物と構築物は不動産に該当するものです。ここで明確にしたいのは、現在の中国の税務システムにおいて、不動産と動産の扱いは全く違うものであるということです。

2 建物税の納税が不要な建築物の仕入増値税控除
一部の建築物については建物税を納付する必要がありません。例えば、建物の外で独立した建築物です。これには、囲い、煙突、水タンク、変電タワー、油槽、油タンク、酒蔵、野菜蔵、アルコール槽、糖蜜槽、室外プール、温室、レンガ・石灰焼き窯、ガスタンク等があります。これらは建物には該当せず、建物税を納める必要はありませんが、とはいえ、これらは建築物・構築物に該当するものです。よってこれに係る仕入増値税は控除することができません。

3 建物附属設備及び附帯施設を交換した場合の規定
建物税173号文書には、建物附属設備及び附帯施設の交換に対し、その価値を建物の取得価格に入れる際には、もとの相応する設備や施設の価値を差し引くことができると規定されています。附属設備や附帯施設の損壊しやすいものや、日常的な部品交換については、建物の取得価格には入れないとされています。

そのうち、「もとの相応設備と施設の価値」の計算方法については、今のところ明確で統一的な規定はありません。例えば、ある建物の附属設備が、取得価格が1,000万元で、減価償却累計額が300万元、そのうち主要機械部分の取得価格が400万元とした場合に、主要機械が故障により交換が必要となったとき、その新しい機械の金額が500万元とすれば、新しい500万元は取得価格に入れるとして、差し引く部分というのはどのように計算するのでしょうか?もとの取得価格の400万元でしょうか?それとも、帳簿価格の280万元(700×40%=280元)でしょうか?どちらを採用するかにより、差は大きいかと思われます。

同時に、附属設備や附帯施設中の損壊しやすいものや、日常的に交換が必要な部品に対する明確な規定もありません。
以上のように不確定要素が存在することから、税務リスクと損失を避けるためには、現地の税務局とその計算方法につき確認されることをお勧めいたします。

「控除不能仕入増値税」についての誤解固定資産減価償却に関わる会計と税務の差異

1 会計準則の規定
固定資産に係る会計準則は、「企業は、すべての固定資産に対し減価償却を行わなければならない。ただし、すでに償却を終了し引き続き使用している固定資産及び単独で計上した土地については除外する」と規定しています。
新会計準則からいえば、基本的にすべての固定資産は減価償却を計上しなければならず、固定資産準則及びその応用ガイダンスがいう二つの状況のみが償却不要の状況となります。

(1)ガイダンスがいう二つの状況
①すでに減価償却を完了して引き続き使用している固定資産については、再度減価償却を行う必要はありません。
②単独で価格を計算する土地とはどのようなものかというと、この状況は現在多くはないのですが、以前には、行政配分された土地をもって、固定資産として計上するように要求された企業もあったかと思われます。この場合は減価償却を計上する必要はありません。
新会計準則では、さらに一つの状況につき規定しています。企業が建築物(土地込)を購入し、それが合理的に土地と建築物の価格を分けることができないような場合、土地も固定資産に計上するというものです。このような状況では、土地に対しても減価償却が必要となります。「単独で計上した土地であってはじめて減価償却が不要」という表現があるのはこのためです。

(2)ガイダンスがいう二つの状況以外
実際上、会計の角度からみて、これ以外に減価償却を計上しない場合があります。次のような場合です。
①耐用年数が来る前に廃棄した固定資産
②固定資産につき後日発生する支出
固定資産の大修理にあたっては、一般的に企業は固定資産の帳簿価格を建設仮勘定等に移し、暫時減価償却も中止します。この間の支出は建設仮勘定科目に集計されます。このように集計された支出は、大修理が完成して使用可能となった際に、耐用年数が再度決められ、減価償却が開始されます。このように、大修理等で使用が中止されている固定資産については、暫時減価償却は行われません。

2 企業所得税法の規定
「企業所得税法」第11条には以下の規定がみられます。
以下の固定資産は減価償却費を控除することができない。
(1)家屋、建築物以外の使用に供していない固定資産
(2)リース方式で借り入れた固定資産
(3)リース方式で貸し出している固定資産
(4)すでに償却が完了しているが引き続き使用している固定資産
(5)経営活動と関係のない固定資産
(6)単独で固定資産として計上した土地
(7)その他の減価償却できない固定資産

3 会計と税法の区別
ここで、新会計準則と企業所得税法の固定資産減価償却に対する考え方の違いを見てみましょう。
両者を較べると、「家屋、建築物以外の使用に供していない固定資産」「経営活動と関係のない固定資産」の減価償却とにいくぶんの違いがあります。
企業所得税法では、これら2種類の固定資産の減価償却は損金にできないとされています。しかるに、新会計準則はこれら2種類の固定資産についても減価償却を行うべきとしています。例えば、会計上、使用可能状態にある固定資産の減価償却については、使用に供しているか否かにかかわらないとされていますが、税法上では認められておらず、使用に供した後(建物・建築物は除く)はじめて損金にできるとされています。

企業所得税法は、原価費用と収入の関連性を、損金とするための一つの原則としています。たとえば、「企業所得税法」第8条には、「企業に実際に発生した取得した収入と関係のある、合理的支出、これには原価、費用、税金、損失及びその他支出が含まれるが、これらは課税所得を計算する際に控除できる」と規定されています。実際上、第8条の規定がすべての企業所得税法及びその実施条例の損金控除の主な原則となっています。ここで強調されているのは、実際発生、収入と関係のある、合理的であるという三つの原則に合致した原価・費用に限り損金とできるということです。

固定資産(家屋・建築物を除く)は、それが使用に供される前には、この固定資産は経営活動と関係がなく、これと企業が取得する収入とは関連がなく、企業所得税上、損金とできないことになります。

年度を跨ぐ給与項目の控除について

企業所得税法では、損金とするには、以下の原則にのっとったものでなければならないとされています。

1 企業の課税所得の計算は、発生主義を原則とし、当期の収入と費用に該当するもので、支払・入金済みであるか否かにかかわらず、すべて当期の収入及び費用とする。当期の収入及び費用に該当しないものは、すでに支払・入金済みであるか否かにかかわらず、当期の収入及び費用とはしない。
2 企業に実際に発生した、取得した収入と関係のある、合理的な支出、これには原価、費用、税金、損失及びその他の支出が含まれるが、これらは課税所得の計算時に控除することができる。

ところで、年度をまたぐ原価・費用の損金処理は、現在は基本的に以下の文書に基づき処理されます。

「企業所得税若干問題についての、国家税務総局の広告」(2011年第34号)第6条には、「企業に当年度において、実際に発生した関連原価、費用に係る有効な発票が入手できなかった場合、企業は四半期の企業所得税を納付する際には、暫時帳簿上で発生した金額に従い計上することができる。ただし、年度末決算の際には当該原価・費用の有効な発票を提供しなければならない」と規定されています。
以上の規定に基づき、実務上税法で認められた年度は、年度末確定申告を行う前の年度となり、即ち年度末決算前に取得した原価・費用はそれに係る有効な証憑をもって、年度において損金とできます。ただし、ここに一つ問題があります。給与に対しては、伝統的意味での有効な証憑が存在しないことから、給与の年度を跨ぐ費用が上記の原則に当たるかどうかということです。これについては、国としての統一的な規定はなく、各地の規定はそれぞれ異なっています。ここでは、青島国家税務局の規定をご紹介したいと思います。

「2009年度の企業所得税年度末確定申告を円滑に行うための、青島国家税務局の通知」(青国税発〔2010〕9号)の規定
(問題9)
【質問」企業が計上した従業員の給与であるが、まだ支給していないものにつき、企業所得税の損金とできるか?

【回答】
「企業所得税法実施条例」第34条には、企業の給与、賃金の控除時間は実際に支給した納税年度とすると規定されています。よって、もし企業が従業員の給与を計上して、その年に実際に支給していないとすれば、企業所得税の損金とすることはできません。ただし、これは以後の実際に支給した年度に控除することができます。ところで、企業が計上した給与を企業所得税の年度申告前(即ち翌年5月31日より前)に実際に支給していれば、計上した年に控除することができます。

(ご注意)
青島の文書では「翌年5月31日より前」に支給した場合、計上した年に控除することができるとされていますが、この表現は実際の運用上、このまま理解するのは少し難しいところがあると思われます。「翌年の年度確定申告前」に支給した場合と表現すれば、少し合理的になるのではないかと考えます。
たとえば、5月1日に前年計上の給与を支給しても、この会社が3月にすでに前年度の年度確定申告を完了していれば、前年度の損金とできるはずもありません。よって、ここでは、5月31日という表現が誤解をもたらす可能性があるように思われます。ご注意をお願いします。

コンタクト

ニュース

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