Archive for 6月 2014

News letter No.020

本ニュースレターに記載の情報はあくまでも一般的参考に供するものであり、読者の皆様に対し、いかなるアドバイスをも提供するものでもありません。なお、記載の内容について、何か問題がございましたら、誠にお手数とは存じますが、当社までご連絡いただければ誠に幸いに存じます。

貿易外取引の対外支払に係る税につき誤解はありませんか?

 
海外に貿易外取引に係る支払いを行う際には、必ず企業所得税10パーセントを源泉徴収した上で送金する・・・というふうに理解しておられる方はいらっしゃらないでしょうか?もしおられれば、この「必ず」は誤解です。
非居住者企業が「積極所得(労務所得)」と「消極所得(非労務所得)」とでは、係る税に幾分違いがあります。前者はサービス提供のような所得であり、後者は、非居住者企業の中国における配当金や利息、リース料、特許権使用料、資産譲渡所得等といった役務にかかわらない所得です。以下に少しご紹介したいと思います。

1 「積極所得」-役務提供を例にとれば
非居住者企業が中国国内で役務を提供し、国内企業その役務に対し費用を支払った場合
海外企業が中国国内で、例えば従業員又は他の誰かを中国に派遣して建築作業への従事、コンサルティング、修理等を行った場合、それに係る企業所得税の納税義務はどのようにして判定するのでしょうか?現状では以下のようになって決められています。

まず、当該役務の源泉が中国国内にあるか、又は中国国外にあるかを判断する必要があります。国外源泉の場合、中国国内においては企業所得税の納税義務はありません。判断の基準は、「企業所得税法実施条例」第7条第2項の「役務提供所得は、役務の発生地により確定する」です。外国企業の国外でのコンサルティングは企業所得税の納税義務はなく、外国企業が中国で行った修理なら、納税義務が生じるというわけです。
ところで、「非居住者の工事請負作業及び役務提供に係る税務管理暫定弁法」(国家税務総局令2009年第19 号)では、「非居住者企業が中国国内で請負工事を行うか、又は役務を提供する場合、規定に基づき現地の主管税務機関で登記手続を行わなければならない」と規定されていることにもご留意ください。

では、源泉が中国国内にあれば、すべて企業所得税の納税義務があるのでしょうか?そこで、その国内で提供する役務が「恒久的施設(以下、「PE」という)を構成しているかどうかを判定する必要があります。通常これは国内に施設を有しているか否か、又は国内に滞在する時間により判定されます。日中租税条約に基づけば、一般的に6か月を越えて国内で役務を行う場合、税務にPEに該当するとされます。PEを構成しなければ、日中租税協定に基づき、中国での企業所得税は免除されることになります。
租税条約に基づき、企業所得税の免税を受けるのであれば、現地の主管税務機関で申請して認可を得る必要があるとされていることにご注意をお願いします。

2 「消極所得」-非居住者企業の中国国内における受取利息、配当金等の権益性投資収益及び利息、リース料、特許権使用料所得、資産譲渡所得。
では、「消極所得」の場合はどうなるのでしょうか?これらの納税義務が中国国内であるかどうかの判定は次のような判断基準に基づき行われます。

・株式利息、配当金等の権益性投資所得は、それを支払った企業の所在地
・利息所得、リース料所得、特許権使用料所得は、それを負担した企業又は機構、場所の所在地
・資産譲渡所得、不動産譲渡所得は、不動産の所在地
・動産譲渡所得は譲渡した企業又は機構、場所の所在地
・権益性投資資産の譲渡所得は、投資企業の所在地

例をあげれば、国内企業が非居住者企業の技術指導を受けた際の費用は、中国の税務機関はこのような指導は技術に関わるものとして、通常「特許権使用料」に照らしてその納税義務の帰属を確定します。結果として、国内企業は費用支払時に、非居住者企業が納付すべき企業所得税を源泉徴収しなければなりません。

3 まとめ
このように、貿易外取引の支払いに係る国外費用の企業所得税納税義務は、「消極所得」であれば納税義務あり、「積極所得」であれば、その源泉が国内であるか、又は国外であるかを見た上で、国内源泉はPEを構成しているかいないかを判断する必要があります。国内源泉の「積極所得」だがPEを構成しないので、税の優遇を受けるというのであれば、税務機関で審査認可手続きが必要です。

最新の小型薄利企業政策についての解説

国家税務総局の小型薄利企業に対する税の優遇については、複数の文書が公布されていますが、本年4月に発表された「小型薄利企業の企業所得税半減範囲拡大関連問題についての、国家税務総局の公告」(2014年第23号、以下、「23号文書」という)では、さら従来の政策とは少し異なる点をみることができます。以下がその注目点です。

1 「税率の低減政策」と「税の半減政策」という新しい概念が加わる
小型薄利企業は、20%の税率で企業所得税を納付するのが「税率低減政策」です。
課税所得が10万元に満たない小型薄利企業は、当該所得の50%に基づき企業所得税を納税するというのは「税の半減政策」です。
一つは税率の優遇政策、一つは課税基礎への優遇です。二つの概念なので、同時に適用されることが可能です。そして、ともに適用されれば、税率10%で課税されるのと同じ効果が得られます。

2 小型薄利企業への優遇査定について
23号文書は、査定課税方式の企業を小型薄利企業として優遇が受けられる範囲に組み入れています。一般的には、査定課税企業は定率課税と定額課税とに分かれます。定率課税は企業の売上又は費用に基づき利益率を査定して、その課税所得額を計算するもので、その課税所得額に企業所得税率をかけて税額を計算します。定額課税とは定期的に定められた金額を納付するものです。

3 優遇を受けるための税務機関の認可は不要
23号文書が発表されるまでは、小型薄利企業が優遇政策の適用を受けるには、前年度が条件に合致していることを証明するための資料を提出しなければなりませんでした。税務機関の審査・認可後はじめて優遇を受けることができたわけです。
23号文書が発表された後、納税者が行うべきことは、年度企業所得税申告書提出時に、企業の就業人員、資産総額等の状況を税務機関に届出することになりました。

4 新規設立企業も小型薄利企業に対する優遇を受けることができる
新規設立企業には、当然のことながら前年データというものは存在しません。よって23号文書が発表されるまでは、優遇を受けることができませんでした。
今後は企業所得税の納付時に、累計課税所得額が10万元を超えないことを証明すれば優遇を受けられるようになりました。なお、10万元を超えても30万元に満たなければ、税率低減の適用を受けることができます。

5 小型薄利企業の条件に合致する数値の計算
 

小型薄利企業については、「課税所得額」「従業員数」「資産総額」の三つの判断指標があります。これをどのように評価するかは、23号文書が発表されるまでは不明確なものでした。23号文書では、「企業所得税優遇政策に係る若干問題についての、財政部・国家税務総局の通知」(財税[2009]69号)の規定に基づき実施する旨が明確に規定されています。

月平均値=(月初値+月末値)÷2
全年月平均値=全年各月平均値の和÷12
この計算方法は、年初と年末を合計するよりさらに合理的なものとなっています。例えば企業の年度の中間の「従業員数」「資産総額」の発生に大きな変化があった場合、年初と年末の簡単な平均では、真実の状況を反映するとは言いがたいからです。

単一の文書に頼った処理には税務リスクが~固定資産のリース料を例に~

中国の税に関する規定は、一つの法律だけで完備されたものとなっているとは言い難く、補足するための多くの通知や公告が出されています。よって、一つの文書だけに頼って解釈することは税務リスクにつながるかもしれません。ここでは固定資産のリース料を例にお話したいと思います。

企業所得税実施条例の規定では、リース方式で得た固定資産のリース料は、リース期間で均等に按分するとされています。これだけ見ればとても簡単なように思われます。

ところが、均等に割るだけではすまない場合もあります。無償でリースする期間が存在したり、毎年支払うリース料が効果とリンクしているような場合です。このような場合、リース料に係る発票の金額も期間で均等に割って発行というわけにはいかなくなります。ではリースを受けた企業は、企業所得税実施条例の規定に基づけばよいのか、それとも発票の金額に基づくのかという悩ましい選択に迫られるのではないでしょうか?

1 リース料の会計処理規定
(1)借主の会計処理
「企業会計準則解説」の規定によれば、借主はリース料をリース期間内で定額法により資産又は当期損益とする、とされています。他にさらに系統だった合理的な方法があれば、その他の方法を採用することもできます。
他のさらに系統だった合理的な方法とは、例えばリースによる自動車を走行距離で按分したり、設備のリース料を作業時間で按分したりする方法です。

リースに無償の期間があっても、借主はリース総額を無償の期間をも含んだ期間をもって、定額法又はより合理的なその他の方法で償却することになります。無償の期間内もリース費用と相応の負債を計上しなければなりません。

(2)貸主の会計処理
「企業会計準則解釈」の規定に基づけば、一般的には貸主は受け取るリース料を定額法を用いてリース期間内で按分して収益とします。ただし、特殊な状況下では、定額法よりさらに合理的な方法を採用することになります。
貸主が提供する無償期間については、貸主はリース総額を無償の期間をも含んだ期間をもって、定額法又はその他のさらに合理的な方法で按分して売上を計上します。

2 リース料の税務処理規定
(1)リース料の規定
「企業所得税法実施条例」第47条には、リース方式で固定資産を得たことで発生したリース料支出は、リース期間内で均等に控除すると規定されています。

(2)リース収入についての規定
「企業所得税法実施条例」第19条には、リース料収入は、契約が約定する借主がリース料を支払うべき日をもって売上とすると規定されています。 

また、「企業所得税法の確実な実施に係る若干の税務問題についての、国家税務総局の通知」(国税函[2010]79号)の第1条には、企業が固定資産、包装物又はその他の有形資産の使用権提供により取得したリース料収入については、取引契約又は協議が規定する借主が支払うべき日をもって売上を確認するとしています。そのうち、取引契約又は協議中に規定するリース期間が年度を跨ぎ、かつリース料が一括して支払われる場合、「実施条例」第9条が規定する収入と費用の対比原則に基づき、貸主はすでに確認した売上に対し、期間ごとに均等に分けた上でそれぞれの年度の売上としなければならないと規定しています。

3 上記のまとめ
会計上、リース費用は定額法又はその他のさらに合理的な方法によって、リース期間において分担しなければならず、リース収入は定額法又はその他のさらに合理的な方法によって、リース期間内に売上を計上しなければならないとされています。ここにいうリース期間には、費用免除期間が含まれます。

税務上、リース費用はリース期間で均等に控除することになり、リース収入は契約が規定する支払期日に基づき決定されます。税務上は無償期間に関する特別の規定はありません。よって、リース費用は無償期間を含んだ期間で按分しますが、リース収入については無償期間は計上されません。

4 簡単な例
貸主の甲は借主の乙に建物をリースし、乙はこれを経営に用いている。リース料総額は1,500万元、リース期間は5年で、最初の2年間はリース料は無料、その後3年間で毎年500万元ずつリース料を支払う。

(会計上)
甲は5年で均等に分けて売上計上、毎年の売上は1500÷5=300万。
乙も5年で均等に分けて費用計上、毎年のリース料は1500÷5=300万元。

(税務上)甲は最初の2年間は売上を計上しない。3年目から5年目までの毎年のリース売上は500万元。
乙は1年目から300万元ずつ費用を計上。
上記リース料を1年目に一括して支払う場合、貸手である甲の収入は、会計上機関ごとに分けることができ、また税務上も5年に分けてよいとされています。乙のほうは会計上期間に応じて費用計上し、税務上でも期間に分けて損金処理します。

5 実務処理における文書規定と控除用証憑の衝突
上記は会計上と税務上の処理の基本的考え方ですが、実務においては、その期に借手が入手した発票と償却すべき金額が一致しないことがあるかと思われます。これについては、次のような規定があります。

「企業所得税若干問題についての、国家税務総局の公告」(2011年第34号)には、企業においてその年に実際に発生した関連コスト、費用につき、各種の理由によりそれらに関わる有効な証憑を入手できない場合、企業は四半期の企業所得税を予定納付する際に、暫時帳簿発生金額をもって計上してもよいが、ただし年度末確定申告においては、当該原価・費用に対する有効は証憑を入手していなければならない、と規定されています。

よって、借主は確定申告が完了するまでに発票を入手していないリース料に関しては、損金とすることができません。文書では「有効な証憑」という範囲を拡大した表現がなされていますが、内容からみて、必ず発票が含まれまると考えます。
企業所得税法実施条例の規定では認められているからといって、発票未入手のリース料を損金とした場合、これが税務機関に認められないというリスクを含んでいることにご留意をお願いします。

「控除不能仕入増値税」についての誤解

増値税はその連続性が途切れると、それに係る仕入増値税を、他の売上に係る増値税から控除することができず原価に振り替えなければならない、というのは比較的よく知られたルールではないかと思います。言ってしまえば簡単ですが、その内容は思うほど単純でない点もあります。例をあげてみます。

(例1)
A社は、固定資産を購入し、これにかかる仕入増値税を控除しました。当該固定資産はもともとは増値税の課税売上製品の製造に用いるものでした。
ところが、その後A社の製品に対する税の扱いに変化が生じ、これの製品は増値税の免税対象となりました。A社は、この固定資産はもともと課税製品の製造にも使っており、免税製品の製造のみに用いたというわけではないので、控除した仕入増値税をもどして原価に振り替える必要はないと判断しました。

では実際の税の扱いはどうでしょうか?当該固定資産の仕入増値税が控除できるのは、「同時に」課税製品と免税製品の製造に使用した場合です。この例では、「同時に」製造したわけではありませんので、免税製品控除した仕入増値税は、免税製品製造期間に関しては、原価算入の処理をする必要があります。A社の判断では過少納税が生じ、税務リスクが生まれています。

(例2)
B社は、原材料を購入し、増値税の課税品と免税品の生産に用いていますが、規定に基づき、購入した原材料の仕入増値税をにつき、免税収入が全体収入に占める割合をもって原価に振り替えました。その中には生産に投入していない原材料に係る増値税も含まれていましたが、B社は、後日この未使用だった原材料を使って免税品を生産した際に、思い違いをして再度、仕入増値税から原価に振り替えてしまいました。結果として増値税を不要に多く納めることになってしまいました。

(例3)
C社は、物品を購入し、企業の固定資産(不動産以外)を製作する行為につき、誤ってその仕入増値税を原価に振り替えてしまいました。結果として過大納税がもたらされました。

(例4)
D社は、控除不能の仕入増値税とみなし売上の概念を混同してしまいました。企業が購入した物品を販促活動に用いた場合、仕入増値税を控除しないというのは、みなし売上に係る売上増値税が発生することの結果です。ところで、このみなし売上の金額は市場価格に照らして決めるのが通常で、市場価格は往々にして仕入価格より高いものです。このケースで仕入増値税を原価に振り替える処理は、税務上適切ではありません。

(例5)
E社には免税収入が発生し、控除不能仕入増値税額を計算するに当たり、免税収入のすべての収入に占める割合により計算しました。ただし、実際には、当期の課税項目に係る仕入増値税額は明確にわかっていましたので、逆算して免税売上に係る仕入増値税額を計算することは可能でした。E社の場合、結果として多めに仕入増値税を振り替える結果となってしまいました。

このように、誤解に基づく間違った処理が行われる可能性があります。もう1度、控除不能の仕入増値税につきまとめてみたいと思います。

1 関連文書規定
「鉄道運輸及び郵政事業の営業税から増値税への移行試行についての、財政部・国家税務総局の通知」(財税〔2013〕106号、以下「106号文書」という)第24条には、以下項目の仕入増値税額は売上増値税額から控除できないと規定されています。

(1)簡易課税方式を用いて税を計算する項目、増値税課税項目でないもの、増値税免税項目、集団福利に関わる又は個人が消費する購入物品、加工修理交換の役務又は課税サービスの受入れ。そのうち、固定資産、特許技術、非特許技術、のれん、商標、著作権、有形動産リース、上記項目にのみ用いる固定資産、特許技術、非特許技術、のれん、商標、著作権、有形動産リース。
(2)異常損失となった購入物品及び関連加工修理交換の役務又は交通運輸サービス。
(3)異常損失となった仕掛品、製品に使用した、購入物品(固定資産は含まない)、加工修理交換役務又は交通運輸業サービス
(4)受け入れた旅客運輸サービス

2 文書が規定する解釈
(1)簡易課税方式の項目
この項目は多いため、ここでは、代表的ないくつかだけを紹介いたします。例えば、小規模納税者は3パーセントの徴税率(徴税率です。増値税の税率が3パーセントになるという意味ではありません。)で増値税を納税します。増値税を控除することができないまま控除していない固定資産を販売した場合、4パーセントを半分に減額して徴税します。水道水、商品用コンクリート等6パーセン等の徴税率のものを販売した場合、その徴税率で増値税を計算し、仕入増値税の控除は認められていません。

(2)増値税課税項目でないもの
これら項目とは、増値税の非課税役務、無形資産(特許技術、非特許技術、のれん、商標、著作権は除外)譲渡、不動産及び建設中不動産の売をいいます。
よって、非増値税課税項目には二つの領域があり、一つは役務の提供、一つは財産の譲渡です。
役務については、コミッション、労務費、不動産建設、内装といった増値税に移行されなかった項目がこれにあたります。
不動産の譲渡は従来通り営業税を納付します。土地使用権の譲渡も営業税の範囲です。技術関連、のれん、商標、著作権等は営業税から増値税へ移行されていますので、増値税の課税項目となります。

(3)増値税免税項目
増値税免税項目は多いため、ここでは代表的ないくつかのみを紹介いたします。例えば次のようなものがこれに該当します。
・流通環節にある野菜、生鮮肉・玉子等
・農業生産者が販売する自ら生産した農産物、条件に合致する飼料、化学肥料等
・納税者が提供する国際貨物運輸代理サービス
・納税者が国外に提供する技術サービス、情報システムサービス、物流補助業務、コンサルティング業務。
ところで、増値税の徴収免除とは売上増値税を免除することをいうのではありません。その意味するところは、納付すべき増値税額を免除するということです。
例えば、免税製品100を販売し、これの本来の税率が17パーセントで売上増値税額は17、これに係る仕入増値税額は10とすれば、免税となる増値税額は17-10=7ということです。売上増値税額の17を免除してしまって、仕入増値税額はそのまま控除を認めるならば、この仕入増値税はその他の売上増値税との控除に使用されてします。これは本来の増値税の考え方からはずれるものです。よって、納税すべき増値税を免除するという方法がとられるわけです。

(4)集団福利
例えば食堂の費用、従業員の送迎バス費用、企業が購入した物品の集団福利への使用といったものについては、それに係る仕入増値税は控除できません。もし自ら生産した物品を集団福利に用いた場合、みなし販売に該当し、当該物品の市場価格で計算して売上増値税を決めることになります。

(5)個人が消費したもの

(6)以上の項目に関わる、固定資産、特許技術、非特許技術、のれん、商標、著作権、有形動産リース。これらは、上記項目にのみ使用するものをいいます。
この「上記項目にのみ用いる」とは、例えば企業が購入したボイラーを、食堂と現場の製造に「同時に」使用するのであれば、その仕入増値税は控除可能となりますが、ボイラーを食堂のみに使用している場合、「上記項目にのみ使用する」に該当しますので、仕入増値税は控除不能です。当該ボイラーを最初は製造に用い、その後は食堂にのみ用いる場合、その仕入増値税は最初の時期は控除できますが、その後は控除できません。控除できない金額は、「固定資産帳簿価格×適用税率」をもって計算します。

(7)異常損失となった購入物品等
これは管理不全による盗難、紛失、カビ・腐敗変質の損失、及び法により没収された又は強制命令により自ら処分した物品をいいます。
部管理制度の不全により、購入した物品が損失を被った場合、その仕入増値税は控除することができません。よって台風、地震等の不可抗力により物品に損失が生じた場合、その仕入増値税は控除することができます。ここでの購入物品には固定資産も含まれます。

(8)異常損失となった仕掛品、製品に使用した購入物品(固定資産は含まない)等。
生産企業の製品の異常損失に当たっては、その原価である原材料、水・電気、固定資産には仕入増値税が存在するかと思われます。これらのうちの原材料、水・電気等に係る仕入増値税は原価に振り替えなければなりませんが、固定資産にかかる仕入増値税についてはその処理は不要です。
では、なぜ固定資産の仕入増値税については処理不要なのかという疑問が生じるかと思います。実は「全国で増値税の構造改革を実施することの若干問題についての、財政部・国家税務総局の通知」(財税[2008]170号)第5条では「納税者がすでに仕入増値税額を控除した固定資産に、条例第10条(1)から(3)項に該当する状況が発生した場合、当月に下記計算式(控除不能仕入増値税額=固定資産帳簿価格×適用税率)に従い控除不能の仕入増値税額を計算しなければならない」というような規定がみられます。

とはいえ、この文書通りに処理すれば、その固定資産を使って製造した製品の一部に異常損失が発生すれば、当該固定資産帳簿価格にかかる仕入増値税がすべて控除不能となるという、納税者にとって明らかに不合理な現象が発生してしまいます。

そこで106号文書では、異常損失が発生した仕掛品、製品に使用した購入物品には固定資産は含まないと明確に規定しています。
ただし、購入した固定資産に異常損失が発生した場合は、仕入増値税は控除できないということとの違いに、ご留意をいただければと存じます。

(9)具体的計算方法
①簡易課税方式計算項目、増値税非課税項目、増値税免税項目の場合
控除不能仕入増値税額=当期に区分不能の全ての仕入増値税額×(当期簡易課税方式計算項目の売上額+増値税非課税項目の役務営業額+増値税免税項目の売上額)÷(当期の全ての売上額+当期の全ての営業額)

(ご注意いただきたい点)
・この計算式は上記3項目のみに採用。
・正確に区分できる仕入増値税については、上記計算式の範囲には含めない。
・すでに上記計算式で計算し仕入増値税の控除不能処理をしたものについては、その後の控除不能項目への使用に際しては、再度控除不能処理を行う必要はない。
・上記計算式で計算したからといって、それでは控除不能とし原価に振り替えた仕入増値税額が完全に正しいかというと、そういうことにはならないと考えます。例えば、仕入増値税額が大きい月には、控除不能処理をした額は過大となるかもしれません。反対に他の月で免税売上が多かったにもかかわらず、仕入増値税額が少なければ過少となります。

このような状況に鑑みて、106号文件では、主管税務機関は上記計算式に基づき、1年を通じて控除不能額を計算した上で、企業の処理を調整することができる旨が規定されています。

②その他の項目の場合
上記計算式は適用せず、当期の実際の原価に照らして控除不能の仕入増値税額を計算する

例えば、購入した原材料を建屋の建設に用い、仕入増値税の控除ができなくなった際に、当該原材料は複数回にわたり購入しており、その購入価格は毎回異なるため、建屋建設に用いた原材料の仕入増値税を正確に計算できないような状況においては、当該原材料の実際原価に税率をかけて、控除不能仕入増額を計算することになります。この場合の実際原価とは、企業が原価計算において算出したものをいいます。

③固定資産、特許技術、非特許技術、のれん、商標、著作権、有形動産リースとは、上記項目にのみ使用する固定資産、特許技術、非特許技術、のれん、商標、著作権、有形動産リースをいいます。
すなわち、増値税課税項目にも、また簡易課税項目、増値税非課税項目、増値税免税項目、集団福利又は個人消費の目的にも同時に使用する場合、その仕入増値税は控除することができ、原価に振り替える必要はありません。簡単にいえば「同時に使用する」ことがポイントとなるということです。

コンタクト

ニュース

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    4月12日に発表された『国家税務総局が営業税に代えて徴収する増値税は地方税務局に代理徴収を委託することと増値税発票の代理発行』(税総函[2016]145号)に次のような規定が見られます。
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    『営業税から増値税への移行試験を全面的に実施することに関する通達』(財税「2016」36号)の規定に基づき、2016年5月1日から全面的に、営業税に代えて増値税を徴収することとなりました。
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