Archive for 4月 2013

News letter No.011

本ニュースレターに記載の情報はあくまでも一般的参考に供するものであり、読者の皆様に対し、いかなるアドバイスをも提供するものでもありません。なお、記載の内容について、何か問題がございましたら、誠にお手数とは存じますが、当社までご連絡いただければ誠に幸いに存じます。

(経済動向)

多くの業界で昨年輸出の増加はマイナスに

2013年の輸出税還付の大幅な増大は困難に
出所:21世紀ネット

国際的な金融危機の影響で、中国輸出の増加速度は緩やかなものとなっています。2009年7月に工業・情報化部が招集した業界分析会議では、鉄鋼、機械、石油化学協会はそれぞれ高付加価値製品、ベアリング、化工製品の輸出還付税率を上方修正することを提案しました。この後、国は数度にわたり異なる業界及び製品につき輸出税還付率を引き上げ、一部の業界の還付率はすでに17パーセントとなっています。
2012年の輸出が低迷していることから、輸出増値税の還付税率の上昇を求める声はさらに大きくなっています。
昨年の全国の輸出は10パーセント増の目標を達成できておらず、輸出情勢が大きく好転することは期待できない状況にあることを考慮し、商務部門も一部の分野で輸出還付を強化する必要があると提案しています。ただし財政部は、検討の結果、本年大幅に輸出還付率を調整する可能性は小さいとしています。その理由としては、2013年の輸出税還付額はすでに1兆元にのぼっており、総合的還付税率は12.9パーセントに達していて、さらに引き続いて大幅に還付の範囲を広げる余地がある可能性は少ないからです。

(税務動向)

輸出貨物・労務増値税と消費税管理弁法関連問題についての国家税務総局の公告
(2013年第12号)

輸出税還付についての新しい文書「輸出貨物・労務増値税及び消費税管理弁法関連問題についての、国家税務総局の公告」(2013年第12号)が3月13日に公布されました。その中では還付申告を遅らせることのできるケースについて述べられています。その内容は以下のとおりです。
●4月1日より、輸出企業又はそのほかの組織(以下、「輸出企業」という)が輸出し、会計規定に基づき売上とした物品は、販売した翌月の増値税の納税申告を行なわなければならず、生産企業はさらに増値税還付関連の申告及び消費税免税申告(消費税の課税物品である場合)を行なわなければならない。
●公告は以下7類の特殊状況にある輸出貨物役務については、期限を過ぎても還付申告することができるとしています。
1 自然災害、社会的突発事象等の不可抗力要素にあったもの
2 輸出税還付の申告証憑が盗難に遭った、又は郵送過程で紛失、遅配があったもの
3 司法、行政機関の業務処理又は検査の過程で、輸出税還付申告証憑が差し押さえられたもの
4 売買双方に経済的紛争が発生し、適時に輸出税還付の申告証憑が取得できなかったもの
5 企業の税務担当者が死傷、突発的な重病又は無断で離職したことで、引継ぎ手続きができず、適時に輸出還付申告の証憑を提供することができなかったもの
6 企業が税関に輸出貨物申告書の修正を申請し、税還付申告期限までに修正が完成せず、適時に輸出貨物の通関証が提供できなかったもの
7.国家税務総局が規定するその他の状況
ただし、以上のように期限が過ぎても還付申告ができるとされる前提は、輸出企業又はその他の組織で発生した真実の貨物輸出役務であること、還付申告期限までに主管税務機関に申請を提出しているということで、これらについては当該機関の審査を経て、さらに省レベル、国家税務局の承認を得た後、申告を行なうことができるとされています。

(会計・税務知識)

日中租税協定が定めるPEの要件は?

通常、PEには二つの種類の形式が存在します。一つは固定した場所があることであり、あと一つは役務提供によるPEです。「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定」(以下、「日中租税協定」という)で定められるPEの状況は以下のようになっています。
日中租税協定 第5条第2項
「恒久的施設」には、特に、次のものを含む。
(a)事業の管理の場所
(b)支店
(c)事務所
(d)工場
(e)作業場
(f)鉱山、石油又は天然ガスの坑井、採石場その他天然資源を採取する場所
第3項
建築工事現場又は建設、組立工事若しくは据付工事若しくはこれらに関連する監督活動は、6箇月を超える期間存続する場合に限り、「恒久的施設」とする。
第4項
1から3までの規定にかかわらず、「恒久的施設」には、次のことは、含まれないものとする。
(a)企業に属する物品又は商品の保管、展示又は引渡しのためにのみ施設を使用すること。
(b)企業に属する物品又は商品の在庫を保管、展示又は引渡しのためにのみ保有すること。
(c)企業に属する物品又は商品の在庫を他の企業による加工のためにのみ保有すること。
(d)企業のために、物品若しくは商品を購入し又は情報を収集することのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。
(e)企業のために、その他の準備的又は補助的な性格の活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。
第5項
一方の締約国の企業が他方の締約国内において使用人その他の職員(7の規定が適用される独立の地位を有する代理人を除く。)を通じてコンサルタントの役務を提供する場合には、このような活動が単一の工事又は複数の関連工事について12箇月の間に合計6箇月を超える期間行われるときに限り、当該企業は、当該他方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとされる。
上記をまとめると、日中租税協定が定める、固定した場所を構えない場合のPEとは、6か月を超えて建設、組立、据付に従事するか、これに関わる監督管理活動を行なうこと、いずれか連続した12か月に6か月を超えてコンサルティング業務を行なうこと、になるかと考えます。

外国籍の上級管理職・董事の個人所得税について

「国内に住所を有しない個人が取得する給与報酬の納税義務問題についての、国家税務総局の通知」(国税発[1994]148号)によれば、中国国内に住所を有しない外国籍従業員の賃金給与の個人所得税納税義務判定は下表のようになっています。

居住時間 納税者の性質 国内源泉所得 国外源泉所得
国内支給 国外支給 国内支給 国外支給
90日(又は183日)以内 非居住者 免税 × ×
90日(又は183日)~1年 非居住者 × ×
1~5年 居住者 免税
5年以上 居住者

以上は一般的外国籍従業員の賃金給与の個人所得税判定基準です。ただし、外国籍個人のうち上級管理職と董事は、それが取得した中国国内企業支給の董事報酬または賃金給与につき、それが中国国内企業の董事又は上級管理職を担当したときから、上記の職務から解除されるときまでの期間については、中国国外で職務を履行しているものに対しても、すべて個人所得税を申告納税しなければならないとされています。それが取得する中国国外企業の支給する賃金給与については、上記表により判定することになります。

なお、日中租税協定では、董事(役員)についての規定があるのみですので、上級管理職の個人所得税については、一般の外国籍個人への規定と同様になるかと考えます。

従業員賃金給与損金処理についての青島市国家税務局の規定

「2010年度企業所得税年度末確定申告納付の若干問題についての、青島市国家税務局の公告」(2011年第1号 )では、青島市企業の賃金給与の企業所得税損金処理につき、以下のように系統的に規定されています。

賃金給与とは、企業が毎納税年度において、当該企業に就業する、又は当該企業に雇用される従業員に支給するすべての現金形式又は非現金形式による労働報酬をいい、これには基本給、賞与、手当、補助、年度末賞与、残業手当及び従業員の就業又は雇用に関するその他の支出が含まれる。従業員とは、企業と労働契約を締結するすべての人員をいい、これには終日勤務人員、兼業人員及び臨時人員が含まれる。賃金給与支出の範囲には以下の状況が含まれる。
1 「労働法」第16条の規定に基づけば、すべての雇用事業主は、労働者との間で労働契約を締結しなければならないと規定されている。労働契約を締結した従業員は、「労働法」が定める権利を享受し義務を負うこととなり、また雇用事業主との間には雇用・被雇用の関係が存在し、賃金報酬を得るとされている。
2007年6月1日より、青島市は労働契約に対しネット上での届出制度を実施しており、労働契約の真実性、有効性については労働部門のネット上での届出システムの数字が基準となり、労働者との間で「労働契約」を締結し、かつすでにネット上での届出を終えた者に対しては、その賃金給与支出の損金処理が認められることとなる。
2 企業がすでに定年退職した人員、退職して休養中である人員を雇用した場合「労働協議」を締結しなければならず、それが支給した労働報酬は実際に基づき損金処理できる。ただし、賃金給与総額に入れて、福利費、労働組合経費、教育経費計算の基礎とすることはできない。
3 中等の職業学校及び高等教育学校と3年以上の合作協議を締結している企業が、学生の実習期間に支給した報酬については、企業所得税の計算時に損金処理することができる。
4 建築施工企業が法に基づき農民工と書面での労働契約を締結し、企業の社印を捺印して企業の法定代表(又は委託代理人)と農民工自身が署名又は捺印を行なった場合、そこで発生した合理的賃金給与支出は、損金として処理することができる。
5 商務部の「派遣労働契約の募集届出業務を円滑に行なうことについての通知」(商合発[2008]382号)文書の第1条には、「商務部の認可を経て対外請負工事経営資格を有する企業は、労務募集届出手続きを行なわなければならず、その上で派遣労働に従事する人員を募集することができる」と規定し、国の関連規定と派遣人員の特殊性に鑑み、企業が上記規定に照らして所在地の商務主管部門において募集届出手続を行えば、その派遣人員の給与は損金処理できるとしている。
6 ヒューマンリソース会社が労働派遣のための従業員雇用形式で、派遣企業と派遣先企業との間で締結した労働派遣協議及び発票は実際の雇用の損金控除の証憑となる。
7 外国籍人員は「就業証」「専門家証」をもって労働契約とみなすことができる。
8 企業が正式に任命した董事会メンバー、監事会メンバー等
なお、労働者との間で「労働契約」又は「労働協議」を届出しながらまだ締結していない納税者は、労務費発票をもって損金処理してはならない。

賃貸した店舗の内装費はどのように償却するか

「2010年度企業所得税年度末確定申告納付若干問題についての、青島市国家税務局の公告」(2011年第1号 )の規定によれば、企業がオペレーティングリースの形式で借入れた固定資産に対し、全体的な内装を行なった支出については、「企業所得税法」第13条の規定に合致していれば、長期前払費用として3年に分けて償却するとされています。それより前に固定資産の契約が解除され、未償却となった内装費用については、解約年度に一括して損金処理することができます。
上述の「企業所得税法」第13条の規定とは、以下をいいます。
課税所得額を計算する際に、企業に以下の支出がある場合長期前払費用とし、規定に照らして償却すれば、控除を認める。
(1)すでに減価償却を終えた固定資産の改造支出
(2)リースしている固定資産の改造支出
(3)固定資産の大規模修理支出
(4)その他、長期前払費用とするべき支出

外部からの派遣労働者を受け入れた場合、実際の業務ではどのようになるか

労働派遣は、中国でもよく見られる人員雇用の形式ですが、実務上で注意すべきはどのようなことか、以下にいくつかの点をまとめました。

1.企業(実際に労働者を用いる企業)が労働派遣企業に対し実際に支払った、及び別途支給した労働派遣人員の費用については、双方が締結する労働派遣契約、費用の性質、用途等の区分に基づき、賃金給与と関連費用に分けなければならない。
2.企業(実際に労働者を用いる企業)が労働派遣人員を使用するために負担した合理的賃金給与支出額(これには労働派遣企業への支払いと直接の支給が含まれる)につき、その発生した賃金給与は税法の規定に従い損金処理でき、さらに賃金給与総額の基数に繰り入れて、従業員福利費等費用の計算基礎とすることができる。
3.企業(実際に労働者を用いる企業)が労働派遣を受け入れるために発生した従業員福利費(貨幣による福利と現物による福利を含む)、従業員教育経費、労働組合経費、社会保険料、住宅積立金等費用は、税法規定に基づき損金処理することができるが、労働者派遣企業の側では、派遣した従業員の福利費等費用を損金とすることはできない。
4.企業(実際に労働者を用いる企業)が直接労働者派遣企業に支払った費用については、労働者派遣企業が発行した発票を入手しなければならず、発票には賃金給与、従業員福利費、従業員教育経費、労働組合経費、社会保険料、住宅積立金、労働派遣管理費用等が分けて明記されていなければならない。発票の発行が上記の要求に合致していない場合、企業(実際に労働者を用いる企業)は実際に労働派遣企業に支払った費用を賃金給与として控除することができない。
5.主管税務機関は、労働派遣従業員の費用を引き続き強化して管理しなければならず、企業(実際に労働者を用いる企業)の年度申告後、納税評価、税務調査等の方式を結合して、それが労働派遣企業との間に締結した労働派遣契約、労働派遣企業が発行した発票、労働派遣のために別途支払った従業員福利費等明細、「労働派遣従業員台帳」等の資料を確認しなければならない。

コンタクト

ニュース

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    『営業税から増値税への移行試験を全面的に実施することに関する通達』(財税「2016」36号)の規定に基づき、2016年5月1日から全面的に、営業税に代えて増値税を徴収することとなりました。
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