Archive for 8月 2012

News letter No.004

本ニュースレターに記載の情報はあくまでも一般的参考に供するものであり、読者の皆様に対し、いかなるアドバイスをも提供するものでもありません。なお、記載の内容について、何か問題がございましたら、誠にお手数とは存じますが、当社までご連絡いただければ誠に幸いに存じます。

(経済動向)

営業税から増値税への改革試行範囲が10の省・市に拡大

7月25日、温家宝総理により招集された国務院常務会議において、2012年8月1日から年末までに、交通運輸業及び一部の現代的サービス業の営業税を増値税に変更する試行地点の範囲を、上海市の一部から、北京、天津、江蘇、浙江、安徽、福建、湖北、広東、アモイ、深圳の10の省(直轄市、計画単列市)に変更することが決定されました。

営業税の増値税への変更は、構造性減税の重要な一歩であり、試行都市のさらなる拡大は、大きな新しい一歩であり、この税制改革進捗の加速は、経済の健全な発展に対しても当然メリットがあると専門家は述べています。

現在中国の減税政策は過度に細分化されており、引き続き増値税減税を強化する必要があります。増値税は最も大きな税であることから、この負担を軽減しないことには、全体的な税負担の減少は望めません。

営業税の増値税への変更は、中国の構造性減税の重要な動きとみなされています。営業税は「単純に」営業の金額に基づき課税されますが、増値税は「付加価値部分」に基づき課税されます。「営業税の増値税への変更」は、重複して課税されることを避け、企業の税負担を軽減するものといえるでしょう。

(税務動向1)

発票代金暫時徴収停止についての、青島市地方税務局の緊急通知(青地税函[2012]80号)

7月17日青島市地方税務局は、市政府の「11項の行政事業性費用の徴収を暫時停止することについての、青島市人民政府の通知」(青政発[2012]35号)を受け、2012年7月1日から2014年12月31日まで、税務発票代金の徴収を暫時停止する旨を、地方税務局の徴収局、各分局、青島市所属の各市地方税務局に通知しました。その内容は以下の通りです。

1 暫時徴収を停止する発票代金の範囲
本通知発送の日から、すべての主管地方税務機関において購入する発票代金は、市政府の文書規定に基づき、暫時徴収を停止する。
2 発票ソフトシステムのメンテナンス
基層局の負担を軽減し、各レベルの業務進行に便宜をはかるため、市地税局はシステム発票販売の手順を集中させ、同時に納税者リストのメンテナンスを行なう。
3 その他の事項
本通知発送の日から7月1日までの期間に、納税者がすでに納付した発票代金をどのように処理するかについては、市地税局が市政府の関連部門からの指示を受けた後、処理方法を明確にする。
各組織が実施過程において遭遇した問題については、すみやかに市税務局に報告されたい。

(税務動向2)

納税者の虚偽増値税専用発票にかかる税の追徴問題についての国家税務総局の公告(2012年第33号)

7月9日国家税務総局は、虚偽増値税専用発票にかかる税の追徴につき、掲題の公告を公布しました。その内容は以下の通りです。

納税者の虚偽増値税専用発票については、その虚偽発行した金額につき増値税の申告納付を行なっていない場合、虚偽発行された金額に基づき増値税を補充納付しなければならない。すでにその虚偽発行した金額につき申告し増値税を納付済みである場合、虚偽発行の金額についての増値税を補充納付する必要はない。税務機関は、納税者の増値税専用発票虚偽発行行為に対しては、「中華人民共和国税徴収管理法」及び「中華人民共和国発票管理弁法」の関係規定に基づき処罰する。納税者は、虚偽発行された増値税専用発票を増値税の合法的有効な税の控除証憑として、これに基づく仕入増値税の控除を行うことはできない。

本公告は、2012年8月1日より実施する。納税者に本公告が規定する事項が発生した場合、これ以前にすでに処理されているものについては再度調整しない。これ以前に処理していないものは、本公告に基づき処理を行なう。「増値税徴収管理の若干問題についての、国家税務総局の通知」(国税発[1995]192号)第2条及び「増値税専用発票の代理発行・虚偽発行に係る問題に対する、国家税務総局の認可回答」(国税函发[1995]415号)は本公告実施に伴い廃止する。

(税務ワンポイント1)

企業の社員旅行に関わる税金問題

企業の社員旅行に要した費用の、税務上の扱いはどのようになるかにつき、以下にまとめました。
企業所得税について:「企業賃金給与及び従業員福利費控除問題についての、国家税務総局の通知」(国税函[2009]3号)第3条第2項によれば、従業員の保健衛生、生活、住居、交通等に対し支給した、各項手当及び非貨幣性の福利とは、企業が従業員に対し支給した、公務で所在地以外に赴いた際の医療費用、統一的医療制度を採用していない企業の従業員の医療費用、従業員が扶養する直系親族への医療補助、暖房補助、従業員防暑高温軽減の費用、従業員困窮補助、救済費、従業員食堂費用補助、従業員交通費補助等を含むと規定されています。
企業が手配する従業員の旅行費用は上記項目に含まれていないため、福利費に計上することはできず、また損金として処理することもできません。

個人所得税について:「個人所得税法実施条例」第10条には、個人所得の形式には、現金、現物、有価証券及びその他の形式の経済的利益が含まれると規定されています。よって、従業員参加の企業が手配する旅行は、その他形式の経済的利益に属し、個人所得税の課税対象となります。

(税務ワンポイント2)

見越計上した費用の企業所得税処理について

「企業所得税法」第8条には、企業に実際に発生した取得した収入と関係する合理的支出(原価、費用、税金、損失及びその他が含まれる)は、課税所得を計算する際に控除できると規定されています。
「企業所得税課税所得額の若干税務処理問題についての、国家税務総局の公告」(2012年第15号)規定には、企業の過年度において実際に発生したもので、税務規定に基づき企業所得税の損金として処理すべきであるのにしていないか、又は損金とした額が過少のものについては、企業が特別申告で説明を行った上で、当該項目の発生年度につき修正申告して控除することができるが、ただし修正申告できる期間は5年を超えないものとする、と規定されています。
よって、上記規定に基づき、企業に実際に発生した原価費用は、年度末の企業所得税確定申告前に証憑を獲得していない場合、損金不算入の処理を行なわなければならず、損金算入のための証憑を取得した後、実際発生年度の修正申告することになります。ただし、見越計算した費用が同年に実際に発生したものとはいえないものであれば、後日発票等の証憑を入手したとしても、上記規定に基づく処理は行なえません。

(税務ワンポイント3)

虚偽の増値税専用発票入手のリスクを回避するために

1 悪意により虚偽増値税専用発票を入手した場合
悪意により入手した増値税発票をもって仕入増値税の控除に用いた場合、「納税者が入手した虚偽増値税専用発票処理問題についての、国家税務総局の通知」(国税発[1997]134号)は、「税徴収管理法」及び関連規定に基づき税の追徴を行なうほか、脱税額の5倍以下の罰金を科すと規定しています。仕入増値税が売上増値税を上回る場合、控除する仕入増値税額も減額調整されます。
虚偽発行された専用発票を使用して輸出税の還付を詐取した場合、法に基づき追徴課税され、その詐取した還付額の5倍以下の罰金が科されます。犯罪を構成する場合、税務機関は法に基づき税を追徴する等の行政処理を行ない、同時に司法機関に移送され刑事責任が追及されます。

2 善意により虚偽増値税専用発票を入手した場合
企業が経営活動において、主観的でない原因により、虚偽増値税専用発票を入手してしまうこともあります。このような状況に対して、「納税者が善意により入手した虚偽増値税専用発票処理問題についての、国家税務総局の通知」(国税発[2000]187号)には、善意により入手した虚偽増値税専用発票とは、以下の条件を同時に満たさなければならないと明記されています。
(1)物品購入者と販売者との間に真実の取引が存在しており、販売者が使用したものはそれが所在する省(自治区、直轄市及び計画単列市)の専用発票であり、専用発票にある販売者の名称、印、物品の数量、金額及び税額等の全ての内容が、実際と合致している。
(2)物品購入者が、販売者の提供した発票につき、非合法的手段によるものであることを知っていたという証拠がない。
納税者の合法的権益を守るため、善意による増値税専用発票取得者に対しては、脱税又は輸出増値税還付の詐取としての処理は行なわれません。ただし、関連規定に基づく仕入増値税の控除又は輸出増値税の還付は認められません。物品購入者がすでに仕入増値税を控除しているか、又は輸出増値税の還付を受けている場合、法に基づき追徴課税が課されます。
同時に、税法は関連の救済措置をも設けています。即ち、納税者が善意で取得した虚偽増値税発票につき、新たに合法的で有効な専用発票を入手できるのであれば、その仕入税額の控除を認めるというものです。新たに合法的で有効な専用発票が入手できなければ、その仕入増値税額の控除、又は輸出増値税の還付は認められません。
「納税者が善意により入手した虚偽増値税専用発票のすでに控除した税金に加え滞納金を徴収する問題についての、国家税務総局の認可回答」(国税函[2007]1240号)では、納税者が善意により入手した虚偽増値税発票につき、法に基づきすでに控除した税額の追徴を求められた場合、「税徴収管理法」第32条の「納税者が規定された期限までに納税しなかった」状況には属さず、「税務機関は期限までに納税を行うよう命令するほか、税を滞納した非から1日あたり0.05%の滞納金を科す」という規定は適用しないと明確に述べています。

(税務解説)

「実質所有者」認定についての新規定、国外向け配当金、利息、特許権使用料に対する政策の新たな変化

6月29日国家税務総局は、「租税協定における『実質所有者』についての、国家税務総局の公告」(2012年第30号、以下「30号公告」という)を公布しました。30号公告と「租税協定における『実質的所有者』をどのように理解し認定するかについての、国家税務総局の通知」(国税函〔2009〕601号、以下「601号文書」という)とを照らし合わせて、以下に「実質所有者」の認定に対する新たな規定につき解説したいと思います。
1 30号公告の背景
国内税法の規定に基づき、非居住者企業が中国国内から得た株式利息・配当金、利息、特許権使用料は、10%の税率で所得税を源泉徴収して納税しなければならないとされています。中国と他の国または地域との間で締結した租税協定において、例えば香港、シンガポール、韓国等のように上記所得に対する源泉徴収の所得税率が10%より低く約定されている場合、協定のその他の規定に合致していれば、例えば香港の場合株式利息・配当金の所得税率は5%となり、特許権使用料の源泉徴収する所得税税率は7%となります。
協定にある優遇税率を享受するためには、協定の関連規定のほか、さらに三つの条件を満たしていなければなりません。
(1)協定締結国又は地域の納税居住民である。
(2)「『非居住民の租税協定待遇享受管理弁法(試行)』発行に関する、国家税務総局の通知」(国税発[2009]124号)の規定により、税務機関に対し租税協定待遇享受の審査申請を提出する。    申請しない場合、租税協定の待遇を受けることはできない。
(3)601号文書の規定に基づき、納税者が租税協定の待遇の享受を申請する際には、それが「実質所有者」の身分を具備していることを証明する資料を提供しなければならない。実際の「実質所有者」であってはじめて、配当金、利息及び特許使用料に関する租税協定の待遇を享受することができる。租税回避を目的とした、租税協定及び会社組織形式で設立するいわゆる「トンネル会社」の濫用は、実質的な経営実態を有しておらず、「実質所有者」と認定することはできず、租税協定の待遇は享受できない。
601号文書は、申請人が「実質所有者」と認定されるのに対する七つの不利な要素を列挙していますが、各地税務機関の実際の掌握における尺度の理解に一定の差異があることから、30号公告を公布して、外商登記企業が優遇政策を円滑に受けられるようにしたものです。

2 30号公告は、601号文書が述べる「実質所有者」身分申請に不利な要素につき説明を加え、さらに会社の資料文書の重要性を強調しています。これには、会社の定款、会社の財務諸表、株主資本変動表、董事会会議記録、董事会決議、人員及び物資の配備状況、関連費用支出、職能及びリスクの負担状況等が含まれます。
よって納税者は健全な内部統制制度を構築し、関連資料の保管及び管理に努めなければなりません。

3 30号公告では、「セーフハーバー」に関わる規定が追加されています。租税協定待遇の申請人が協定締結相手側の国・地域の上場会社であり、かつ当該配当金が上場会社の株式にかかわる所得であった場合、直接申請人の「実質所有者」の身分を認定することができます。

4 申請人が代理人を通じて所得を代理受領している場合、代理人が協定締結国・地域の居住者であるか否かにかかわらず、このことで申請人の実質的所有者の身分認定に影響があってはならないとされています。よって、送金の際に使用する税務証明が代理人宛に発行されたものであっても、代理人は「実質所有者」ではなく、優遇の享受の可否がこれによる影響を受けるものではないということになります。

コンタクト

ニュース

  • News letter No.029 - 2016年4月20日
    4月12日に発表された『国家税務総局が営業税に代えて徴収する増値税は地方税務局に代理徴収を委託することと増値税発票の代理発行』(税総函[2016]145号)に次のような規定が見られます。
  • news letter028 - 2016年4月19日
    『営業税から増値税への移行試験を全面的に実施することに関する通達』(財税「2016」36号)の規定に基づき、2016年5月1日から全面的に、営業税に代えて増値税を徴収することとなりました。
  • News letter No.027 - 2015年3月26日
    目次 小型薄利企業の企業所得税優遇政策についての財政部・国家税務総局の通知 外国籍個人の個人所得税に係る時間に ...
  • News letter No.026 - 2015年2月6日
    目次 貿易企業の委託加工輸出業務に係る4方式の比較 国内外関係企業間借入に関する税務規定 [me ...